Menu

予防歯科(定期健診)で守る全身の健康

2019年08月12日

口の健康を守るために推進してきた予防歯科が、全身の健康につながることが分かってきました。

私たちは歯を悪くした人の治療をしてゆく中で、歯を失うということは、何と不自由な
ことか、そしてその機能を回復することは如何に大変かを経験してきました。
それ故、予防歯科の重要性に早くから気づき、予防歯科に取り組んできました。
今から、20年前から、垂水区で最も早く私とK先生、M先生の3人で予防歯科を始めました。

その頃は、「歯医者が、虫歯防いでどないすんねん。おまんまの食いあげや。」などと言う
歯科医すらいました。それほど酷くなくても「また、悪くなったら来てください。」と言う
のが普通で、患者さんの側でも「歯医者は歯が悪くなったら行く」といのが常識でした。

そのような中、どのように予防歯科を広めるか悪戦苦闘の毎日でした。やがて予防歯科を
やってゆくと、今まで歯の数がどんどん減る一方だった患者さんが、歯を失うことがなくなったり
8020(80歳で20本歯を残す)を達成する人がどんどん増えたり、手ごたえを感じることが
多くなりました。まあ、予防歯科を始めた時に考えていた成果が得られるようになったなあと
思っていました。

しかし、うかつでした。
あまりにも、口の中しか見ていませんでした。
「口の中健康を守ると全身が健康になる」というのは、内科の先生の指摘でした。
私たちも薄々は感じていました。歯の健康を守っている人は元気だなあと思っていました。

はじめは糖尿病でした。
糖尿病の人は、歯周病になりやすいということは昔から言われてきました。
しかし、逆のことが起こる即ち、
「歯周病が糖尿病を引き起こす」ことがわかってきました。
歯周病を起こす歯周病菌が血管から体内に入り込み、毒素を出してその結果血糖値を上げる
ことがわかってきました。

次は動脈硬化です。歯周病菌が血管から入り込むと血管中にプラークという塊をつくり
動脈硬化を引き起こすのです。動脈硬化になると、脳梗塞や心筋梗塞を引きおこします、

誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言わ
れており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要
になります。

このように様々な病気を引き起こす歯周病ですが、もっとも衝撃的なことは
アルツハイマー型の認知症の原因になっているということです。
誰に聞いても認知症だけにはなりたくな言う人がほとんどでしょう。
歯周病菌が脳内に侵入していることがわかっています。アルツハイマー型認知症
の人の脳には、正常の何倍もの歯周病菌が侵入していることがわかって
アルツハイマー型認知症の主な原因の一つではないかといわれています。
認知症の予防法の最大のものは、予防歯科(定期健診)かもしれません。